
こんにちは!兄弟日記のユウ(弟)です!
皆さんは、年収からどんな税金がどんなふうに引かれて、最終的な手取り額になるか、ちゃんと理解していますか?会社が全部やってくれるからと気にしていない人がほとんどだと思います。そのような方に向けて、手取り額の計算方法を徹底解説していきたいと思います!

お兄ちゃんは給料からどんなものが引かれてるか知ってる?
そりゃ、税金だろ!


正解!だけど、税金以外にも社会保険料なんかも引かれてるんだよ!
社会保険料?なんだそりゃ…?

給与から天引きされるものってなにがある?

まず、給与から天引きされるものが何なのか分からないことには手取り額の計算はできません。この章では、給与から天引きされる基本的な3つを紹介していきます。
給与から天引きされているものは「税金」と「社会保険料」
各個人によって労働組合費や共済組合費など天引き内容は異なるとは思いますが、全員に共通して引かれているのは、税金と社会保険料です。また、税金は「所得税」と「住民税」という2種類の税金が引かれています。
社会保険料
社会保険は、労働者個人を守るため、必要最低限の保障となるため、各事業形態や会社の規模によって加入が義務付けられています。
所得税
所得税は個人の所得にかかる税金で、サラリーマンの場合、給与所得から各種控除を引いた金額に対して一定の税率をかけた金額のことをいいます。本来、住民税は課税対象者が直接税務署に支払うものですが、サラリーマンの場合は、会社が代わりに従業員の所得税を給与から差し引く形で「源泉徴収」をしています。
ただし、会社が行っている源泉徴収は、個人の生命保険料控除等を計算に入れていない、ざっくりとした計算なので、12月に「年末調整」という形で、従業員個人が帳尻合わせをする必要があります。
住民税
住民税は、都道府県や市町村に対して払う税金で、サラリーマンの場合、給与所得から各種控除を引いた金額に対して約10%の税率をかけた金額のことをいいます。所得税と違い、住民税は、前年の所得に対してかかる税金ということも覚えておいてほしいポイントです。
社会保険料の計算

この章では、労働者個人を守るために加入が義務付けられている社会保険にかかる「社会保険料」の計算方法を解説したいと思います。
社会保険料の中身
まず、社会保険料の中身について勉強していきましょう。

以上の体系図の通り、社会保険料の内容はこのような構成となっています。このうち、労災保険は全額会社が負担してくれるため、個人の負担はありません。
社会保険料を計算してみよう!
社会保険料の中身について覚えたところで、実際に社会保険料を計算してみましょう。今回は以下のような前提条件のもと社会保険料を算出していきます。
前提条件
- 本人の年齢30歳
- 給与収入(年収)500万円
- 標準報酬月額 30万円
- 配偶者あり
- 配偶者の給与所得 100万円
- その他扶養家族なし
- 加入中の生命保険内訳(すべて平成24年1月1日以降に加入)
- 死亡保険:10万円/年
- 医療保険:4万円/年
- 個人年金保険:未加入
- iDeCo未加入
- ふるさと納税未寄付
- 給与以外に収入なし
STEP①:健康保険料(介護保険料)の計算
まずは、健康保険料(介護保険料)の計算をしていきます。健康保険料と介護保険料の計算式は以下のようになっています。(保険料率は全国健康保険協会の東京都を参考にしています)
健康保険料(40歳未満)の計算式
健康保険料=標準報酬月額×保険料率(9.84%)
※保険料率は加入する健康保険協会や地域によって異なります。
介護保険料(40歳~64歳)の計算式
介護保険料=標準報酬月額×保険料率(11.64%)
※保険料率は加入する健康保険協会や地域によって異なります。
標準報酬月額とは
毎年4月から6月の月額(給料)の平均のことをいう
手で計算するのも良いですが、健康保険料の計算は以下の「保険料額表(東京都)」で算出することが可能です。今回の条件では、標準報酬月額が30万円ということと、本人の年齢が30歳で介護保険料を支払う必要がないということから、赤線の部分にあたることがわかります。

よって、今回の条件での健康保険料(介護保険料)は29,520円となります。なお、健康保険料(介護保険料)は半分会社が負担してくれるため、自己負担額は14,760円です。これにより、年間の健康保険料(介護保険料)は177,120円と算出することができました。
STEP②:厚生年金保険料の計算
次に、厚生年金保険料を計算していきます。厚生年金保険料の計算式は以下のようになっています。
厚生年金保険料の計算式
厚生年金保険料=標準報酬月額×厚生年金保険料率(18.3%)
※厚生年金保険料率は令和3年現在のもの
厚生年金保険料も健康保険料と同様に「保険料額表(東京都)」にて算出することが可能です。今回の条件では、標準報酬月額が25万円ということから、赤線の部分にあたることがわかります。

よって今回の条件での厚生年金保険料は54,900円となります。なお、厚生年金保険料も会社が半分負担してくれるため、個人負担額は27,450円です。これにより、年間の厚生年金保険料は329,400円と算出することができました。
STEP③雇用保険料の計算
次に、雇用保険料を計算していきます。雇用保険料は以下のような計算式で算出することができます。
雇用保険料の計算式
雇用保険料=給与収入(交通費含む)×雇用保険料率
また、雇用保険料率は会社負担の割合が多く、事業内容により保険料率が異なるという特徴があります。雇用保険料率を以下の表にまとめました。
事業内容 | 労働者(自己負担) | 会社負担 | 合計 |
一般事業 | 3/1000 | 6/1000 | 9/1000 |
農林水産・清酒製造 | 4/1000 | 7/1000 | 10/1000 |
建設事業 | 4/1000 | 8/1000 | 11/1000 |
今回の条件では、給与収入が500万円で一般事業の会社に勤めているので、以下のような計算式となります。
雇用保険料=500万円(給与収入)×3/1000(雇用保険料率)=15,000円
これにより、年間の雇用保険料は180,000円と算出することができました。
STEP④:各種保険料の合算(社会保険料の計算)
STEP①~STEP③の計算で社会保険料のもととなる各種保険料の計算ができました。各種保険料の年間支払金額をまとめていきましょう。
ポイント
STEP①:健康保険料=177,120円
STEP②:厚生年金保険料=329,400円
STEP③:雇用保険料=180,000円
これらの各種保険料を合計した金額が年間の社会保険料となるため、年間の社会保険料は686,520円となります。
え!社会保険料だけでこんなに取られてるの!?


そうなんだよね…日本の社会保険料はほんとに高いんだよ…
番外:社会保険料計算の裏ワザ
おおまかな社会保険料を計算する際によく使われるのか「15%」という数字です。自分の年収に15%をかけるとおおまかな社会保険料を計算することができます。根拠はこのようになっています。(令和3年度全国健康保険協会における東京都の保険料率を参考としています)
個人負担分の各種保険料率
- 健康保険料率:4.92%
- 介護保険料:0.90%
- 厚生年金保険料率:9.15%
- 雇用保険料率:0.3%
これらをすべて合わせると15.27%となり15%に近似するため、大まかな社会保険料率を算出するには自分の年収に15%をかければいいというわけです。
所得税の計算

この章では、皆さんの所得にかかる税金である所得税の計算方法を解説したいと思います。(会社員を例として解説しますのでご了承ください)
所得税を計算するうえで覚えてほしい単語
まず、所得税の計算をするうえで覚えてほしい単語について勉強していきましょう。
給与収入
給与収入とは、給与や賞与を合計した収入のことを言います。世間一般に言われる「年収」のことだと思っていただければオッケーです。
給与所得
給与所得とは給与収入から給与所得控除額をひいた金額のことを言います。以下のような計算式で求めることができます。
給与所得=給与収入ー給与所得控除
給与所得控除額は給与収入によって決められています。下の早見表からあなたの給与所得控除額も算出してみましょう。

給与所得控除とは
会社員にとっての経費のこと。給与収入により給与所得控除額が決まっており、会社が勝手に計算してくれている。

「控除」っていうのは、税金を軽減してくれる魔法の言葉だと思ってね!
課税所得
課税所得とは、給与所得から生命保険料控除などの各種所得控除を引いた金額のことで、最終的に課税の対象になる所得のことを言います。この課税所得に所得税率がかけられて、所得税の金額が算出される仕組みです。日本の所得税率は累進課税となっており、課税所得が多くなるにつれて所得税率も大きくなっていきます。下の所得税率速算表から、あなたの所得税率を算出してみましょう。

所得税計算のステップ
所得税計算のステップをわかりやすく図にしましたのでご覧ください。

なるほど!つまりは課税所得が少なければ少ないほどかかる所得税も少なくなるって訳か!


そういうことだね!ただ、会社員に認めらている控除は個人事業主と比べて少ないから、なかなか税金を減らすことができないんだよ!
所得税を計算してみよう!
所得税に関する基礎知識を覚えたところで、実際に所得税を計算してみましょう。社会保険料を算出した時と同じ条件で所得税を算出していきます。
前提条件
- 本人の年齢30歳
- 給与収入(年収)500万円
- 標準報酬月額 25万円
- 配偶者あり
- 配偶者の給与所得 100万円
- その他扶養家族なし
- 加入中の生命保険内訳(すべて平成24年1月1日以降に加入)
- 死亡保険:10万円/年
- 医療保険:4万円/年
- 個人年金保険:未加入
- iDeCo未加入
- ふるさと納税未寄付
- 給与以外に収入なし
STEP①:給与所得の計算
まずは給与所得を算出していきます。給与所得の計算式は「給与所得=給与収入ー給与所得控除額」なので、計算に必要な給与所得控除額を算出していきましょう。
今回の条件では、給与所得が500万円なので給与所得控除額算出表の赤枠で囲った欄に該当します。

給与所得控除額算出表の計算式より、
給与所得控除額=500万円(収入金額)×20%+44万円=144万円
給与所得控除額は144万円となるので、
給与所得を算出する計算式「給与所得=給与収入ー給与所得控除額」に代入すると、
給与所得=500万円(給与収入)ー144万円(給与所得控除額)=356万円
これにより、給与所得が356万円と算出することができました。
STEP②:課税所得の計算
次に、給与所得から各種所得控除額を引いた課税所得を算出していきます。課税所得の計算式は「課税所得=給与所得ー各種控除額」なので、計算に必要な各種所得控除額を算出していきましょう。
各種所得控除は全14種類で、以下のようなものがあります。
所得控除の一覧
- 基礎控除
- 医療費控除
- 雑損控除
- 寄付金控除
- 生命保険料控除
- 地震保険料控除
- 配偶者(特別)控除
- 扶養控除
- 社会保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 障害者控除
- 寡婦控除
- ひとり親控除
- 勤労学生控除
今回の条件では、「基礎控除」「生命保険料控除」「配偶者(特別)控除」「社会保険料控除」が対象となりますので、それぞれの控除額を算出していきます。
①基礎控除
基礎控除とは、所得税や住民税を納めている全員が受けられる控除のことです。合計所得金額に応じて控除額が定められていますが、2400万円を超えない限り、控除額は一律48万円となっていまっす。

今回の条件では、給与所得が356万円と2400万円を下回っていることから、基礎控除額は48万円と算出できます。
②生命保険料控除
生命保険料を払っている場合、その金額に応じて所得控除を受けることができます。ただし保険料控除区分は3つに分かれて入れていて、所得税の場合、それぞれの控除上限額は4万円(3つ合わせて12万円)となっています。

生命保険料控除の分類
- 一般生命保険料控除:死亡保険など
- 介護医療保険料控除:医療保険など
- 個人年金保険料控除:個人年金など
次の表に当てはめて計算することで、それぞれの控除額を求めることができます。

今回の条件では、「一般生命保険料控除」に該当する死亡保険に年間10万円、「介護医療保険料控除」に該当する医療保険に年間4万円を拠出していることになります。
「一般生命保険料控除」においては年間10万円拠出しているので控除額算出表の以下の欄に該当することになります。

年間の拠出額が8万円を超えてしまうと控除額は一律で4万円ということになりますので、今回の条件での「一般生命保険料控除」における控除額は4万円と算出することができます。
次に、「介護医療保険料控除」においては年間4万円拠出していることになりますので控除額算出表の以下の欄に該当することになります。

赤枠の計算式に沿って計算をしていきます。医療保険には年間4万円拠出していますので支払保険料等に4万円を代入して、
介護医療保険料控除額=4万円(支払保険料等)×1/2+1万円=3万円
以上の計算から、今回の条件での「介護医療保険料控除」における控除額は3万円と算出することができます。
つまり、今回の生命保険料控除額は「一般生命保険料控除」における控除額は4万円と「介護医療保険料控除」における控除額は3万円を合計した7万円ということになります。
③配偶者(特別)控除
配偶者(特別)控除とは、扶養している配偶者がいる場合に適用できる控除のことを言います。配偶者の所得が133万円以下であれば、配偶者(特別)控除を受けることができます。配偶者(特別)控除額の算出には以下の配偶者(特別)控除額算出表を使用します。

今回の条件では本人の給与所得が356万円、配偶者の給与所得が100万円なので、配偶者特別控除額算出表の赤枠欄に該当します。

よって、配偶者(特別)控除は36万円と算出することができました。
④社会保険料控除
その年に支払った社会保険料は所得控除の対象となります。
前章で算出した年間の社会保険料は686,520円なので、社会保険料控除は686,520円(以下わかりやすいように約69万円とします)となります。
⑤各種所得控除の合計
各種所得控除を以下の通り、算出することができました。
ポイント
①基礎控除:48万円
②生命保険料控除:7万円
③配偶者特別控除:36万円
④社会保険料控除:約69万円
それぞれの所得控除を合計すると160万円となります。課税所得の計算式は「課税所得=給与所得ー各種控除額」なので、それぞれに代入すると、
課税所得=356万円(給与所得)ー160万円(各種所得控除額)=196万円
となり、課税所得は196万円と算出することができました。
STEP③:所得税の計算
最後に、所得税を算出していきます。所得税の計算式は「所得税=課税所得×所得税率ー控除額」なので、計算に必要な所得税率を算出していきましょう。
所得税率は「所得税速算表」より簡単に算出することが可能です。今回算出した課税所得は196万円なので「所得税速算表」の赤枠の部分に該当します。

所得税速算表から所得税率は10%、控除額は97,500円と算出できました。所得税の計算式は「所得税=課税所得×所得税率ー控除額」なので、それぞれに代入すると、
所得税=196万円(課税所得)×10%(課税所得)ー97,500円(控除額)=98,500円
以上の計算により、所得税は98,500円と算出することができました。
住民税の計算

この章では、皆さんが都道府県や市町村に対して払う住民税の計算方法を解説したいと思います。
住民税と所得税の違い
まず住民税の計算に入る前に、住民税と所得税の違いを勉強しましょう。
納税先が違う
所得税は「国税」住民税は「地方税」といわれているように、所得税の納税先は国で、住民税の納税先は各都道府県や市町村など、各自治体となっています。
所得控除額が違う
先ほど、所得税の計算の際にも出てきた所得控除額が所得税とは異なる場合があるため、注意が必要です。

税率と計算方法が違う
住民税は「所得割」と「均等割」という2つに分けて計算がされています。このうち「所得割」の計算方法は所得税の計算方法に似ており、所得税は所得が多くなるにつれて、税率も大きくなる「累進課税」が採用されていますが、住民税(所得割)の場合は、都道府県税が4%、市町村税が6%の合計で一律10%となっています。
住民税の「均等割」については都道府県民税額1500円と市町村民税額3500円の合計5000円を納めることになっています。
納税対象年度が違う
所得税の場合には、1月から12月までの所得について計算されますが、住民税の場合は「前年」の所得について税額計算が行われるため、注意が必要です。
住民税を計算してみよう!
所得税と住民税の違いを覚えたところで、実際に住民税を計算してみましょう。社会保険料と所得税を算出した時と同じ条件で住民税を算出していきます。
前提条件
- 本人の年齢30歳
- 給与収入(年収)500万円
- 標準報酬月額 25万円
- 配偶者あり
- 配偶者の給与所得 100万円
- その他扶養家族なし
- 加入中の生命保険内訳(すべて平成24年1月1日以降に加入)
- 死亡保険:10万円/年
- 医療保険:4万円/年
- 個人年金保険:未加入
- iDeCo未加入
- ふるさと納税未寄付
- 給与以外に収入なし
STEP①:課税所得の計算
給与所得の計算までは所得税の計算の時と同じなので、その先である課税所得の計算から始めていきます。課税所得の計算式は「課税所得=給与所得ー各種控除額」なので、計算に必要な各種所得控除額を算出していきましょう。
①基礎控除
基礎控除とは、所得税や住民税を納めている全員が受けられる控除のことです。所得税の場合は合計所得2400万円以下の場合、48万円の基礎控除が存在しましたが、住民税の場合の基礎控除は43万円となってしまいます。
②生命保険料控除
生命保険料を払っている場合、その金額に応じて所得控除を受けることができます。所得税の場合、3つの控除区分それぞれの控除上限額は4万円(3つ合わせて12万円)となっていましたが、住民税の場合は、3つの控除区分それぞれの控除上限額は28,000円(3つ合わせて7万円)となってしまいます。

住民税の場合の生命保険料控除額は以下の表で算出することができます。

今回の条件では、「一般生命保険料控除」に該当する死亡保険に年間10万円、「介護医療保険料控除」に該当する医療保険に年間4万円を拠出していることになります。
「一般生命保険料控除」においては年間10万円拠出しているので控除額算出表の赤枠の欄に該当することになります。

年間の拠出額が56,000円を超えてしまうと控除額は一律で28,000円ということになりますので、今回の条件での「一般生命保険料控除」における控除額は28,000円と算出することができます。
次に、「介護医療保険料控除」においては年間4万円拠出していることになりますので控除額算出表の以下の欄に該当することになります。

赤枠の計算式に沿って計算をしていきます。医療保険には年間4万円拠出していますので支払保険料等に40,000円を代入して、
介護医療保険料控除額=40,000円(支払保険料等)×1/4+14,000円=24,000円
以上の計算から、今回の条件での「介護医療保険料控除」における控除額は24,000円と算出することができます。
つまり、今回の生命保険料控除額は「一般生命保険料控除」における控除額は28,000円と「介護医療保険料控除」における控除額は24,000円を合計した52,000円ということになります。
③配偶者(特別)控除の計算
配偶者(特別)控除とは、扶養している配偶者がいる場合に適用できる控除のことを言います。住民税においても、配偶者の所得が133万円以下であれば、配偶者(特別)控除を受けることができます。ですが、所得税の配偶者(特別)控除額とは金額が異なるので、算出に住民税専用の配偶者(特別)控除額算出表を使用します。

今回の条件では本人の給与所得が356万円、配偶者の給与所得が100万円なので、配偶者特別控除額算出表の赤枠欄に該当します。

よって、配偶者(特別)控除は33万円と算出することができました。
④社会保険料控除
社会保険料控除は所得税の控除額と変わりません。前章で算出した年間の社会保険料は686,520円なので、社会保険料控除は686,520円(以下わかりやすいように約69万円とします)となります。
⑤各種所得控除の合計
各種所得控除を以下の通り、算出することができました。
ポイント
①基礎控除:43万円
②生命保険料控除:5.2万円
③配偶者特別控除:33万円
④社会保険料控除:約69万円
それぞれの所得控除を合計すると160万円となります。課税所得の計算式は「課税所得=給与所得ー各種控除額」なので、それぞれに代入すると、
課税所得=356万円(給与所得)ー150.2万円(各種所得控除額)=205.8万円
となり、課税所得は205.8万円と算出することができました。
STEP②:住民税(所得割)の計算
次に住民税(所得割)の計算をしていきます。住民税(所得税)の計算式は「住民税(所得割)=課税所得×10%」(都道府県民税:4%、市町村民税:6%)なので、それぞれに代入すると、
住民税(所得割)=205.8万円(課税所得)×10%=205,800円
以上の計算により、年間の住民税(所得割)は205,800円と算出することができました。
STEP③:住民税(均等割)の金額
住民税(均等割)については都道府県民税額1500円と市町村民税額3500円の合計5000円を納めることになっています。
STEP④:住民税の合計
STEP②で計算した住民税(所得割)とSTEP③で紹介した住民税(均等割)を合計した金額が住民税として納税することになります。
住民税=205,800円(所得割)+5,000(均等割)=210,800円
以上の計算により、年間の住民税総額210,800円となります。
手取り額の計算

これまで給与から天引きされる「社会保険料」「所得税」「住民税」の計算を行ってきました。これで手取り額を計算する準備はすべて整いました。
おさらい:各種金額
今一度、計算した「社会保険料」「所得税」「住民税」をまとめてみましょう。
ポイント
社会保険料:686,520円
所得税:98,500円
住民税:210,800円
これらの金額を給与収入(年収)から差し引くことで手取り額の計算を行うことができます。
手取り額を計算してみよう!
いよいよ、手取り額を計算する時が来ました。手取り額の計算式は「手取り額=給与収入ー社会保険料ー所得税ー住民税」なのでそれぞれに代入すると、
手取り額=5,000,000円(給与収入)ー686,520円(社会保険料)ー98,500円(所得税)ー210,800(住民税)=4,004,180円
これにより、今回の条件での手取り額は約400万円という結果となりました。
手取り額を多くするには?
自営業の方や、個人事業主の方には経費が認められていますが、会社員や公務員の場合、経費が認められておらず、手取り額を多くするのはかなり難しい状況というのが事実です。
唯一の手段は所得控除を多くすること
会社員や公務員の場合は、少しでも所得税や住民税などの税金を少なくするために控除額を多くすることしか手段がありません。
でも、どうやって控除額を増やすの?子供たくさんつくるとか?


確かに扶養控除は増えるけど、普段の生活が苦しくなっちゃうから元も子もないよ!
じゃあ、どうやって控除をふやすんだよ!


iDeCo(個人型確定拠出年金)も所得控除の対象って知ってた?
そっか!iDeCoは掛金全額所得控除の対象なんだよね!

iDeCoで所得控除を増やそう!
お兄ちゃんも言っていた通り、iDeCo(個人型確定拠出年金)は掛金が全額所得控除の対象になります。
つまり、年金という「将来」のための資産形成をしながら、「今」の税金も少なくできる魔法の制度なんです!ぜひiDeCoのメリット、デメリットを理解したうえで、加入を検討してみてはいかがでしょうか?
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ふるさと納税でオトクに!
ふるさと納税もぜひおすすめしたい制度です。ふるさと納税とは所得税や住民税を払う代わりに、自分の指定した自治体へ寄付ができ、お礼として、その自治体から返礼品も受け取ることができる制度のことを言います。

つまり、住民税を自らの自治体にそのまま納税するのではなく、自分が選んだ自治体に税金を先払いすることで、納税をしながら返礼品も受け取ることができます。
このふるさと納税はやらない意味がないほどオトクな制度ですのでぜひ始めて見てください!
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まとめ:自分の手取り額も計算してみよう
今回は給与からどんなものが引かれているのか、かなり詳細に計算をしてきました。これを機に、ぜひ自分の手取り額も計算してみてはいかがでしょうか?また、より多く手取り額を残すための取り組み(iDeCo)も検討してみてはいかがでしょうか?
では、また次の記事で会いましょう。