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【雑損控除】車上荒らしや地震も対象なの?計算例も紹介!

こんにちは!兄弟日記のユウ(弟)です!

今回は災害や盗難などで資産に被害を受けた際に大変役立つ、「雑損控除」について解説していきたいと思います!

ところでお兄ちゃんは雑損控除って知ってる?

雑損?なんじゃそりゃ?全然わからん…

じゃー、お兄ちゃんも今回の記事を読んで一緒に勉強していこう!

雑損控除ってなに?

まずは雑損控除の概要を説明していきます。

雑損控除の概要

雑損控除とは、納税者やその扶養親族の資産が災害や盗難などで損害を受けた際、条件を満たすと一定の金額の所得控除を受けられるものです。

所得控除とは

所得税額は「(収入-経費-所得控除)×税率」で求められるので、所得控除が大きければ大きいほど、納めるべき所得税額は低くなります。

え!空き巣にあったりしても所得控除を受けられるってこと!?

そういうことだよ。知らなくてちゃんと使えていない人も多いみたいだね。

どんな資産が控除の対象になるの?

どんな資産でも雑損控除の対象になるわけではありません。では、どのような資産が対象になるのでしょうか?

①資産の所有者がいずれのうちのどちらかであること

  • 納税者本人であること
  • 納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が48万円以下の者

②棚卸資産若しくは事業用固定資産等又は「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産であること

別荘など趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で保有する不動産、ゴルフ会員権や、貴金属(製品)や書画、骨董など1個又は1組の価額が30万円超のものは「生活に通常必要でない資産」に該当します。

なお、以下のような資産は「生活に通常必要でない資産」に該当しますので参考にしてください。

  • 使用頻度の低い高価なオートバイ
  • 詐欺による資産の損失
  • 事業用の事務機器
  • 転売用の商品

ここら辺の線引きは非常に難しいため必要により税務署等で確認することをおすすめします。過去の判決事例は国税不服審判所のサイトで確認できますのでこちらも参考にするといいでしょう。

どんな原因が雑損控除の対象になるの?

資産と同様、どんな原因で損害が出たのかによっても雑損控除の対象になるかならないか決まってきます。では、どのような原因が対象になるのでしょうか?

雑損控除の対象となる原因は次の場合のみに限られます。

  1. 震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
  2. 火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
  3. 害虫などの生物による異常な災害
  4. 盗難
  5. 横領

地震や風水災害も対象なんだね!

なお、詐欺による資産損失は対象外となりますので注意してください。

雑損控除の計算方法は?

では続いて雑損控除の計算方法について解説していきます。

雑損控除額の計算

雑損控除額は次の計算式のうち、いずれか高いほうが採用されます。

①(差引損失額)-(総所得金額等)×10%

②(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

災害関連支出の金額とは

災害により滅失した住宅、家財などを取壊し又は除去するために支出した金額などのことをいう

差引損失額の計算

雑損控除額の計算に必要な差引損失額の計算式はこちらです。

差引損失額=(損害金額)+(災害等に関連したやむを得ない支出の金額)-(保険金などにより補てんされる金額)

損失金額とは

損害を受けた時の直前におけるその資産の時価を基にして計算した損害の額のことをいう

また、「災害等に関連したやむを得ない支出の金額」とは、「災害関連支出の金額」に加え、盗難や横領により損害を受けた資産の原状回復のために支出した金額をいい、「保険金などにより補てんされる金額」とは、災害などに関して受け取った保険金や損害賠償金などの金額のことをいいます。

雑損控除額の計算例

では、実際に雑損控除額を計算していきましょう。今回は以下の条件で計算していきたいと思います。

計算するうえでの条件

納税者の総所得:500万円

損失前の住宅の価値:3,000万円

損失後の住宅の価値:2,500万円

損失額:500万円

原状復帰にかかる費用:200万円

保険金:100万円

差引損失額の計算

まずは、「差引損失額」を計算していきます。差引損失額の計算式は、

差引損失額=(損害金額)+(災害等に関連したやむを得ない支出の金額)-(保険金などにより補てんされる金額)

なので、それぞれに代入すると、

差引損失額=500万円(損失金額)+200万円(原状復帰にかかる費用)-100万円(保険金)=600万円

これにより、差引損失額は600万円と算出することができました。

雑損控除額の計算

雑損控除額は次の計算式のうち、いずれか高いほうが採用されるので

①(差引損失額)-(総所得金額等)×10%

②(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

それぞれを計算していきます。

①600万円(差引損失額)-500万円(総所得金額)×10%=550万円

「差引損失額のうち災害関連支出の金額=現状復帰にかかる費用」なので、

②200万円(原状復帰にかかる費用)-5万円=195万円

①の計算式では550万円、②の計算式では195万円という結果となったので、より金額が高い550万円が控除の対象になります。

すごい!そんな控除されるんだ!でも、1年でこんなたくさんの控除枠使えなくない?

お兄ちゃんの言う通りだね!でも雑損控除は翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができるんだ!

覚えておきたい!

損失額が大きくてその年の所得金額から控除しきれない場合には、翌年以後(3年間が限度)に繰り越して、各年の所得金額から控除することができる!

まとめ:知っていると知らないでは大違い!

本記事のまとめ

  1. 雑損所得は所得控除の1つ
  2. 資産が災害や盗難などで損害を受けた際に対象となる
  3. どんな資産でも対象いなるわけではない
  4. どんな原因でも対象になるわけではない
  5. 控除枠がいっぱいになったら、翌年以降も繰り越せる

今回は、雑損控除の概要から計算例まで解説していきました。

僕たちの親も車上荒らしに遭った際、この雑損控除を知らずに所得控除を受けそびれていました。もし、この知識があったなら何十万もの控除を受けられたかもしれないのに…。

皆さんもこのようなことにならないよう、しっかりとお金の知識をつけていきましょう。

では、また次の記事で!

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